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10年夢blog 第5回 [GBA作品(小説)]

10年夢blog 第5回

 そう、俺が始めたblogは自分の夢日記だった。寝て見る方で、覚えている方の夢。やはり普段の仕事に誇りは持てないし、人様にアピールできるような程極めている趣味もないし、何でもない日常をおもしろおかしく書くこともできない。何より日記だと続かない。あ、これは前も言ったか。でも基本的に起きても覚えている時だけ更新すればいいし、夢なんて突拍子もなく脈絡もないものだから、起きたことを脚色無くズラズラダラダラ書けばよろしい。
 ともかく別に公序良俗に反することを書くわけではないのだから、別にいいじゃない。所謂「荒らし」も随分来ると思うよ。でもコメントで夢の感想を聞いてみたい。「それは、こういうことの予兆なんじゃないの?」なんて言葉が聞ければ、
 31歳にもなってすることかって?
 いいんだよ、そうでもないとやっていられないんだ。自己満足とでも何とでも言え。
 猛にはその説明をした後に、またお前はそうやって人が忠告しているのに直そうともしないで夢に拘って夢に縛られて夢に振り回されてそんなことだから成長しないんだなんのかんのと言われたよ。でも、仕方が無いじゃないか…
 ただ、のめり込みすぎないように。いくらなんでも俺もいい年なんだから、それは心得ているつもりだ。まあ、だからこそ、覚えている夢を見たときだけ更新、というのは適度な関わりなのかもしれないな、とまた自己満足してみる。


今日の夢:12/15
 盛岡・繋温泉に入ったつもりが、露天風呂に満ちていたのは日本酒だった。俺はそこで一緒に入浴していた首長竜プレシオサウルスに勝負を挑まれ、一対一の椀子蕎麦大食い対決を行う。人類の尊厳を守るために俺は食べ続け、85杯目まで行ったような気がするがその先は分からない。


 どうだ、これでも見たまま、脚色無しのノンフィクションだ。いや、夢である以上フィクションか。ヤラセ無しとでも言えばいいのか。まあ何でもいい。
 ちなみにこの夢を見た日、俺は契約に関する交渉事で灰色の結論を出されたのだが、それは勝負が付かなかったことと関係があるのだろうか。

 そうしてblogを始めて一週間くらいしたあたりから、幾つかコメントがつき始めた。ときに「逆縁候補募集」とか日本語の破綻したスパムコメントが付くこともあった。何だか俺の夢の方がまだ筋が通っているんじゃないかとか思いつつ、管理者権限でばっさりカット。
 例えば、延々無目的のままにトラック諸島付近の碧い空をマダラトビエイと一緒に飛び回っている夢のことを書いたときに付いたコメント。
「しゅー(※注:管理者としての俺の名前)さんは、きっと普段溜めこみすぎていて解放されたいんですよ。空を飛ぶ夢は解放願望の表れだって何かの本に書いてありました」
 教科書的なコメントありがとう。でも正直言って嬉しいよ。本当に抑圧されているんだもの。これを見る前は交渉がうまくいかなかったし、これを見た日は空を飛んで逃げ出したいようなトラブルがあったものな。
「コメントありがとうございます。ご指摘の通り、解放されたいことばかりでして(苦笑)」
 と、猫を被った返事をコメントする。
 俺は正直なところ他人やほんの受け売りをする奴は嫌いだが、何故かこういうコメントは憎めなかった。自分の思い通りに答えてくれる、そんな言葉だけを求めていたのかもしれない。そんなコメントが出るのをいつも期待しているから、いつも動き出しが遅いのだろうか。
 コメントはいつも付くわけではない。それでもアクセス数を見ると、最初は一桁しかなかったのがじわじわと増えてきているのが分かる。一週間経つと大体のべ50人くらいが一日に訪れるようになっていた。一ヶ月もすると三桁が当たり前になっていった。


今日の夢:12/26
 クリスマスも終わったのに、なぜか6月にワルシャワの灰色の空の下でサンタクロースの絵本を探している。夢の中の俺はポーランド語が達者で、今度の期末試験で使うからだという理由で市の観光案内所に店を紹介してもらっている。店に行ってみたら何故か店主が自分と同年代の日本人で、見栄を張ってポーランド語で話しかけた俺は「日本語で通じますよ、大丈夫です、人生は長いんです」という分かったような分からないような返答をされる。


「こんな夢、見たことあります。あるある」
「前の日にテストがあってうまくいかなかったときはこんなのを見たな」
「何だこの変なポエムは」
 最後の一つはともかく、前二つのように「あるある」感が受けているのだろうか。共感を呼んでいるらしいblogは、勿論爆発的なアクセスなど無いけれど、思ったよりは読んでくれている人がいるらしいというのは分かった。

(続く)


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